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2012.05/05 [Sat]
1019年3月 我が屍を越えてゆけ
1019年・3月
正直私はあまり体調が良くない。従って、討伐には3人で行ってもらった。
何、私がいなくても、九重楼の門番如き、赤玉の併せを使えば楽勝だろう。
戦果は七天斎打倒。

しかし、朱の首輪が枷せられているとはいえ、かの神が「七天爆」を編み出されたのだろう?
なぜ、我等を相手にするときお使いにならないのだろうな。
首輪をつけられると記憶が曖昧になると聞いた事があるから、お忘れなのだろうか。
手心を加えて下さっているのだとしたら、封じられた神にそのような気遣いを受けていると言う点を、
己の弱さとして恥じねばなるまい。
……等と思案しながら息子たちを出迎えた所で、天井が回った。
「当主様? ちょっと、顔色が……ああぁっ!」
気がつくと、布団に寝かされていて、討伐から帰ったばかりの息子達が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
着替えをする間もなく。
そうか。そういうことなのだな。これが「短命の呪い」か。
短かったのか、長かったのか、比較対象がいないから正直よくわからない。
だけど、おまえたちなら、私がいなくなってもきっと立派にやっていける。
だから泣くな。
「私の死を悲しむ暇があるなら……一歩でも前に行け。どんな悲しみにも負けてはダメだ。さあ、子供たちよ」
佑。おまえには、苦労をかけたな。苦労ついでに、次の当主はお前に頼む。最後まで、面倒をかけて、すなないな……。
蓮。おまえは、煮え切らない所もあるが、芯のしっかりした、縁の下の力持ちとして頼りになる自慢の息子だ。
蓉。おまえはこう言うと嫌がるが、悪ぶって見せようとしても、心根の優しい自慢の息子だ、私にはわかる。
これからも、家族力を合わせて、しっかり生きていくんだぞ。
「私の屍を、越えてゆきなさい」

正直私はあまり体調が良くない。従って、討伐には3人で行ってもらった。
何、私がいなくても、九重楼の門番如き、赤玉の併せを使えば楽勝だろう。
戦果は七天斎打倒。

しかし、朱の首輪が枷せられているとはいえ、かの神が「七天爆」を編み出されたのだろう?
なぜ、我等を相手にするときお使いにならないのだろうな。
首輪をつけられると記憶が曖昧になると聞いた事があるから、お忘れなのだろうか。
手心を加えて下さっているのだとしたら、封じられた神にそのような気遣いを受けていると言う点を、
己の弱さとして恥じねばなるまい。
……等と思案しながら息子たちを出迎えた所で、天井が回った。
「当主様? ちょっと、顔色が……ああぁっ!」
気がつくと、布団に寝かされていて、討伐から帰ったばかりの息子達が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
着替えをする間もなく。
そうか。そういうことなのだな。これが「短命の呪い」か。
短かったのか、長かったのか、比較対象がいないから正直よくわからない。
だけど、おまえたちなら、私がいなくなってもきっと立派にやっていける。
だから泣くな。
「私の死を悲しむ暇があるなら……一歩でも前に行け。どんな悲しみにも負けてはダメだ。さあ、子供たちよ」
佑。おまえには、苦労をかけたな。苦労ついでに、次の当主はお前に頼む。最後まで、面倒をかけて、すなないな……。
蓮。おまえは、煮え切らない所もあるが、芯のしっかりした、縁の下の力持ちとして頼りになる自慢の息子だ。
蓉。おまえはこう言うと嫌がるが、悪ぶって見せようとしても、心根の優しい自慢の息子だ、私にはわかる。
これからも、家族力を合わせて、しっかり生きていくんだぞ。
「私の屍を、越えてゆきなさい」

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